文・写真:堀井和子
左は SAS で使われていたというコーヒー用のサーヴィングポット。ステンレス製で持ち柄に籐が巻いてあります。
銀色のボディのフォルム、蓋のツマミ部分のシンプルなデザインが大好きで、数年後、全く同じ形、サイズで銀メッキ加工のポットを見た時、そちらも購入してしまいました。
銀メッキの方は放っておくと色が黒っぽく変化するので磨かないといけませんが、ステンレス製の方はずっとこの状態をキープしています。
右は、アメリカに住んでいる頃に愛用していたサンビーム社のトースター。おっとりしたカーヴが美しい銀色のボディと、黒い樹脂部分のバランスが綺麗です。トースターになぜこんなに
日本に帰国してから、電圧が違うせいか、パンを焼くのに時間がかかるようになり、短時間に高温で焼けるデュアリットのトースターを今は使っています。
でもこのサンビーム社のトースターは、ダイニングルームの棚にいつもスタンバイさせています。多分、理屈ではなくて、一生。
2009年、下馬にあったビオトープのお店で見つけました。傘立てのようです。
実は1998年、旅先のコペンハーゲンのヴィンテージの家具店で初めて見てから、ずいぶん年月が経過してからの再会でした。鋳物製でかなりかさばりそうだったので、買いたかったけれど諦めたもの。
ビオトープで見つけた瞬間“あ!買って帰れる、今日”と心が決まっていました。
諦めたことを後悔しつつ、このデザインをずっと、忘れたくないものリストに入れていたのかもしれません。
きりっとした復刻版も見かけましたが、この、何だか甘い感じが気に入っています。
外苑西通りのオオシマザクラが、小さな赤い実をつけたところ。
今年は3月末に白い花が咲き、すぐに新緑の葉が広がっていました。家の近くにもヤマザクラが並んで植えられていて、路面に熟した実が落ちると色が移って掃除が大変そうですが、私は、ちょっとワクワクしてしまいます。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」