文・写真:堀井和子
フィンランドの陶芸家
17cm×32.5cm の長方形っぽい楕円で、底から縁へかけて持ち上がったフォルムのため、プレートではなくボウルとされているようです。右奥に置いた 750ml のワインの瓶と比べると、そのサイズ感がつかめるかと思います。おおらかで深さがあって、ソースや汁気がある料理を盛るのに、とても具合がよい器です。
MARITA LYBECK はアルテックの陶器やテキスタイルのデザインを手がけ、1947年から1952年まで自身の STUDIO EMMEL で活動。このボウルは EMMEL で製作されたハンドメイドのものだそうです。
私は底から縁へかけてのカーヴや表面の縁の仕上げかた、濃いこげ茶色にぐっと
瀬戸焼 網目文碗 2客を、ふと立ち寄った骨董店で見つけました。
古い時代のものではないそうですが、かすれたこげ茶色の網目文がさり気なくて素敵だなぁと手に取りました。10年くらい前、日本民藝館で展示を見た帰りのことだったと思います。
以前、染付の網目文飯碗を探していたことがあります。ずいぶん長いこと見て廻ったのですが、網目文がかっちりしていたり、巧み過ぎる感じだったりで、まだ、これという飯碗に出合えていません。
瀬戸焼の方は、飯碗よりひとまわり大きく、浅めのフォルムでしたが、すっと迷わずに心が決まりました。
秋から冬にかけての炊き合わせや蒸しものを盛り付ける時に。
アメリカに住んでいた頃、マンハッタンのハートマンのお店で買ったスーツケース。ニューヨークタイムズの新聞にハートマンの広告が時々掲載されていて、“いつか革製のこのスーツケースを車に積んでドライブ旅行がしたい”と憧れながら時が過ぎ、何とか勇気を出して買えたのが、アメリカから帰国する半年くらい前。アメリカでのドライブ旅行には持って行けずじまいでしたが。
飛行機の手荷物としては大き過ぎますし、チェックインして革が傷つくのは悲しいので、ドライブ旅行専用に考えていました。
今の住まいに越した時、車を手離してしまったので、テーブルクロスを収納するのに使っています。かなりの枚数重ね入れても、革の包容力のおかげで胴がふくらんで、ちゃんとファスナーが締まるのがすごいです。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」