眺めてよし、盛ってよし。
働きものの丼ぶりがあれば、毎日の食卓がもっと楽しくなる。
丼ぶりの枠に収まらず、自由に。
料理家の小堀紀代美さんと一緒に、「丼鉢」の色々な使い方と合わせたい料理を考えてみました。
料理・レシピ:小堀紀代美 写真:長嶺輝明 スタイリング:伊東朋惠 文・編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)
プロフィール
小堀紀代美(こぼり・きよみ)
東京・富ヶ谷のカフェ『LIKE LIKE KITCHEN』(2012年閉店)で料理人兼オーナーを務めた後、現在は料理家として雑誌等を中心に活躍中。著書に『予約のとれない料理教室 ライクライクキッチン「おいしい!」の作り方』(主婦の友社)、『フルーツのサラダ&スイーツ もっとおいしい組み合わせで』(NHK出版)など多数。2021年10月末に『ライクライクキッチンの旅する味』(主婦の友社 )発売予定。
Instagram:@likelikekitchen
◎各料理のレシピを本記事の下部でご覧になれます。
一般的な丼よりも、少々小ぶりなサイズ。デザインは猿山修さん、制作は波佐見の白岳窯さん。和と洋、両方の顔を持つ丼ぶり。全5色の展開です。
まずは、正統派「きつねうどん」
ベーシックな丼ぶり飯といえば、やっぱりうどん。奇を衒わない正統派の佇まいによく似合います。出汁をたっぷり含んだお揚げは、それだけでご馳走。
> 「丼鉢 / 呉須輪」
ようこそ我が家へ。
エスニック料理で賑やかなもてなし
友人が遊びに来る日は、エスニックご飯でおもてなし。華やかな色合いの食材を盛れば、丼鉢の和な表情が一変、楽しい市場ご飯の雰囲気に。
> 右上から時計回りに「丼鉢 / 呉須巻」、「丼鉢 / 白」、「丼鉢 / 赤巻」
特製、焼売丼定食
ほんのり中華テイストを感じる赤いラインが入った丼鉢に、焼売をのせて「焼売丼」に。スープ皿と小皿を白で統一すれば上品な中華定食の出来上がり。
> 「丼鉢 / 赤輪」
ハレの日にも、ケの日にも
気楽な一人ご飯は、正統派どんぶり飯の親子丼を。出汁が効いた幸せな味。丼鉢の鮮やかな青が食欲をそそります。
> 「丼鉢 / 呉須巻」
ハレの日、おもてなし仕様の食卓で丼鉢をサラダ鉢として使う提案。優しい色合いは、取り皿として添えた北欧のうつわとも良く合います。
> 「丼鉢 / 白」
たとえば、こんな使い方もできます
どこか洋の佇まいがある真っ白な丼鉢を、フルーツやお菓子を盛るうつわとして使うのも粋。アイデア次第で色々な使い方が楽しめそうです。
> 丼鉢を一緒につくった「東屋」の記事はこちら
「つくる人」Vol.10 熊田剛祐(「東屋」代表)—— 100年後、またどこかで会いましょう
今回登場した料理のレシピをご紹介します
「きつねうどん」
材料(2人分)
ゆでうどん 2玉
油揚げ 2枚
九条ねぎ または 長ねぎ 斜め薄切り 適量
◎うどんつゆ
かつおこんぶ出汁 800ml
醤油 大さじ2
みりん 小さじ2
塩 小さじ1/3
◎きつね
油揚げは半分に切る。さっと茹でて油を抜き、ざるにあげて、ぎゅっと絞る。
「うどんつゆ」から200ml取り、鍋に砂糖を適量加えて好みの甘さにし、油揚げを入れて油揚げを入れて煮汁がまわるまで煮る。鍋の中でそのまま冷ます。
つくり方
1. 沸騰したお湯に表示通りにうどんを茹で、流水でぬめりをとる。
2. うつわにうどんを入れて、熱々に温めたうどんつゆを注ぎ、きつねとねぎをのせる。
「エスニックごはん ラープ ムー」
材料(4~5人分)
豚ひき肉 300g
赤玉ねぎ 1/4個
香菜 1~2株
ミントの葉 ひとつかみ
万能ねぎ 5本
黒こしょう 少々
◎たれの材料
レモン果汁またはライム果汁 大さじ4 ※果肉も入れる
ナンプラー 大さじ2
粉唐辛子 小さじ1
砂糖 小さじ1/2
生姜のすりおろし ひとかけぶん
ニンニクすりおろし 少々
つくり方
1. 豚ひき肉の表面の水分をペーパータオルで拭く。
2. 赤玉ねぎは半分にして薄切り、万能ねぎは小口切りにする。香菜は下半分の茎と根はみじん切り、上半分の葉が付いている部分はざく切りにする。
3. フライパンを中火にかけ、オリーブオイル(分量外)大さじ1/2と豚ひき肉を入れて広げ、触らずに焼く。最初に出てきた脂はフライパンをかたむけてペーパータオルで吸い取る。
4. 焼き色がついたら水(分量外)大さじ1と1/2を加えて、フライパンについた旨味をこそげとる。
5. 上下を返して黒こしょうをふり、肉汁が透明になってほぼ水分が飛ぶまで大きくほぐしながら加熱する。
6. ボウルにたれの材料を入れて混ぜ、炒めた豚肉、赤玉ねぎ、万能ねぎ、香菜、ミントを加えて混ぜ、うつわに盛り付ける。
※米を炒って砕いたものを入れて混ぜると本格的になる。
※適宜、ナムルや揚げ物を添えても良い。
>添え物の一例
◎なす1本
材料
なす 1本
A
豆板醤 小さじ1/4
砂糖 小さじ1
酢 大さじ1
醤油 小さじ2
つくり方
1. フライパンに油を適量入れて、茄子を加えてさっと炒め、塩(分量外)少々ふり、蓋をして蒸し焼きにする。
2. 混ぜておいた「A」と混ぜ、エスニック丼の上にのせる。
「玉ねぎの焼売(LIKE LIKE KITCHEN 風)」
材料(約25個分)
豚ひき肉 400g
玉ねぎ(正味) 220g~250g(玉ねぎ大きめ1個)
きび砂糖 大さじ1
醤油 大さじ1
塩 小さじ1
黒こしょう 適量(ミルで6~7回挽く)
酒 大さじ1
卵 1個
生姜 30g(すりおろし)
ごま油 大さじ1
片栗粉 大さじ2
焼売の皮
醤油/酢/辛子 好みで適量
つくり方
1. 玉ねぎは大きめ(7~8mm)に切り、ボウルに玉ねぎを入れてほぐし、片栗粉を加えて混ぜる。
※玉ねぎ(野菜)に片栗粉をまぶすことによって水っぽくなくなる。
2. 大きめのボウルに豚肉を入れ、つぶつぶ感が無くなるまでよく練る。ねばりが出てきたら生姜と砂糖、塩、こしょうを加え、酒、醤油、卵、最後にごま油を加えて繋がるまでしっかりと混ぜる(白っぽくマットな質感になるまで/ボウルに肉が貼り付くまで)。さらに玉ねぎを加えて混ぜる。(包むまで冷蔵庫で冷やす/2時間以上冷やすとよい)
3. 焼売の皮で包み、穴を空けたクッキングシートを敷いた蒸篭に並べる。沸騰している湯に蒸篭をのせて、強火のまま9分~10分蒸す。※小さなセイロで少ない量を蒸す場合は7~8分。(はじめの5分間は蓋を開けない!)
>ワンポイントメモ
・出来立ての玉ねぎの食感を楽しんで欲しい、シンプルな味わいのお気に入りの焼売です。
(蒸し時間が長かったり、再加熱、冷凍するとシャキシャキ感はなくなります)
・ボウルの底を氷水に当てて冷やす、あるいは肉ダネを冷蔵庫で冷やすとふっくら蒸しあがります。(ぬるい餡は脂から溶けて膨らみが悪くなるため)
・2段で蒸す場合は、時間差で下の段に入れるとうまくいきます。(上の段が余熱状態になるので、一気に火が通らず、膨らみが悪くなるため)
・冷凍保存する場合は蒸した後に。
「ねぎとわかめ、ツナのスープ」
材料(2人分)
長ねぎ 1/2本 1cmに切る
わかめ 3g(カットわかめ乾燥/水につけて戻して洗う)
ツナ 小1缶(70g)
いりごま(白) 小さじ1
酒 大さじ1/2
塩 小さじ1/2
薄口醤油 小さじ1
水 300ml
つくり方
1. 鍋にごま油小さじ2、いりごまを入れて弱火で熱し、長ねぎ、わかめと、油を軽くきったツナを入れてさっと炒める。
2. 酒、水の順に加え、塩を加えてひと煮立ちさせ、薄口醤油を加える。
3. うつわに盛り付け、ごま油少々と黒胡椒をふる。
「親子丼」
材料(2人分)
卵 4個
とりもも肉 200g 皮と余分な脂、筋などを取り除き、ひと口大に切る
玉ねぎ 1/3個分 薄切り
割下 150ml
三つ葉
◎割下の材料
出汁 200ml
醤油 50ml
みりん 50ml
砂糖 小さじ1
つくり方
1. 割下から150mlを取り分け、別の鍋に入れて中火にかけ、沸いたら鶏肉を加えて色が変わるまでさっと煮てざるに上げる(完全に火が通らなくてよい)。
2. フライパンまたは鍋に割下と玉ねぎ、鶏肉を入れて中火にかけ湧いてきたら卵の約2/3を中心から外側にむけて入れ、弱めの中火にする。
3. 卵がふちから立ち上がってきたら残りの卵を入れて1~2分加熱し、火を止めて蓋をした後1~2分蒸らす。
「柿のサラダ」
材料(2人分)
柿 1個 食べやすい厚さにくし切り
レタスの葉(フリルレタスを使用) 3~4枚 食べやすい大きさにちぎる
マッシュルーム 2~3個 1cm幅に切る
しいたけ 1個 1cm幅に切る
ホワイトバルサミコ酢 大さじ1
醤油 小さじ1
黒胡椒 少々
つくり方
1. フライパンにオリーブオイル適量を入れて中火で温め、
きのこ類を加えて広げ、触らずに焼く。
2. 焼き色が付いてきたら、炒めてホワイトバルサミコ酢としょう油を加えて混ぜる。
3. ボウルにソテーしたきのこ、レタス、柿を加えて和える。
味をみて足りなければ塩少々でととのえる。