「日常の中の非日常」をキーワードに、大人のための日常着をお届けしているCLASKA発のアパレルブランド「HAU」。
4シーズン目を迎える2022年、新たに「HAU / つづくふく」というラインをスタートします。
ブランドとして、アップデートしながら“つくりつづけていきたい”服。
着る人の中で、定番として“つづいていく”服。
季節や流行という縛りを超え、マイワードローブとして愛用いただける全12点のアイテムを、4回にわけてご紹介していきます。
写真:大森忠明 スタイリング:伊東朋惠 モデル:山本奈衣瑠 ヘアメイク:KOMAKI 編集・文:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)
HAU(ハウ)
デザイナーに藁谷真生を迎え、CLASKA発のアパレルブランドとして2019年春にスタート。コンセプトは「日常の中の非日常」。日々の暮らしの中で気負えずカジュアルに着られるものでありながら、身に纏うことで気分が高揚する大人の女性のための日常着をお届けしています。
「つくる人」Vol.9 藁谷真生(HAU デザイナー)|OIL MAGAZINE
Instagram @hau_clothes
01. coat "canvas"
カジュアルと“品”の両立
HAUの洋服は、デザイナー・藁谷の「こういう服があったらいいな」という思いが起点になって生まれます。その思いとは時に機能面に関することだったり、年齢を重ねた自分の身体と洋服のバランスを考えた時に生じる“課題克服”に関することであったり。
「coat "canvas"」は、ブランドがスタートした最初の年に誕生して以来、少しずつ改良を重ねながら毎シーズンつくりつづけているキャンバス地のコートです。
デザインした当時、藁谷は「コートの転換期」の真っただ中にいました。
重さのあるコートは、羽織るだけで身体全体が重くなってしまう。
腕や肩回りがタイトなコートはスタイリッシュで素敵だけど、例えば子どもを抱っこする時や外で動き回る時、着ていること自体がストレスになってしまうことがある。
根本的な洋服の趣味は変わらないものの、ライフステージが変わるにつれ自分にとって心地いいコートのかたちが変化しつつある時期でした。
じゃあ、今の自分が欲しいコートってどんなものだろう?
その答えは、ラフに羽織れてかっちりしすぎないコート。
でも単にカジュアルで動きやすければそれでいいということではなくて、大人の女性の装いとしてある程度のきっちり感と品を感じさせるものがいい。羽織るだけで着こなしが決まれば、さらに嬉しい。
そうして出来上がったのが、「coat "canvas"」です。
大きめにデザインされたフードや空気を含んだようなしわ感のある生地、その他にもたくさんの工夫が詰まった魔法のコート。
一見するとごく普通のシンプルなコートですが、一度羽織っていただければ私たちがつくり続けている理由がわかっていただけるはず。
長く愛用して一緒に歳を重ねていきたくなる、そんな一着です。
02. knit tops "coton"
少しミリタリーな、コンパクトニット
HAUというブランドの個性を語る時、「サイズ感」の話を欠かすことは出来ません。
デザイナー・藁谷の身長は155cm。
藁谷曰く、小柄な女性にとって“こなれ感”のあるカジュアルな装いは、時に少々ハードルが高い。
確かに、ゆったりしたシルエットのボトムスを丈詰め無しに綺麗に着ることは時に至難の業かもしれませんし、逆にコンパクトなトップスが欲しいと思っても、コンサバテイストのもの以外で気持ちにフィットするものを探すのは、それはそれで簡単ではない。
HAUの洋服が生まれる背景には、小柄な女性がもっと自由に洋服の着こなしを楽しめますように、というデザイナーとしての思いがあります。
「knit tops "coton"」は、小柄な女性がコンパクトに着られる上質でカジュアルなニットが欲しいという思いから生まれた一着です。
360度、どの角度から見てもすっきりと綺麗なコンパクトシルエット。素材は、春先から梅雨の時期~秋口まで長い期間着て頂けるコットンを採用しました。
糸の段階で起毛させたものを編み立てているので、まるでカシミア混のように上質で、ふんわり柔らか。
首元は開きすぎないクルーネック、両肩に入れた三角パッチがほんのりミリタリーテイストを感じさせるユニセックスな佇まいです。
綺麗めのボトムスに合わせれば程よい抜け感を演出してくれ、カジュアルなデニムに合わせればキュっと着こなしを引き締めてくれる。
色違いで愛用いただくリピーターが多いのも納得な、“使える”ニットです。
今回は、通常の色展開に加えてCLASKA ONLINE SHOPと「HAU & SUNDRY 横浜店」だけで購入いただける限定カラー「ブルー」をご用意しました。
36と38の2サイズ展開。お好みのフィット感でお楽しみください。
03. denim pants "tapered"
その人らしさが浮かび上がるデニム
皆さんのクローゼットには、今、どんなデニムがありますか?
カジュアル服の定番ともいえるアイテムですが、普遍的な魅力を持つと同時に時代性が大きく反映されるものでもあります。
10年前に買ったデニムを変わらず愛用している方も、手持ちのデニムを少しだけアップデートすることで新たな自分が発見できるかもしれません。
「denim pants "tapered"」は、デザイナー・藁谷が思い描く“大人が品よく履けるデニム”の完成形です。
腰回りをしっかりと包む深い股上。足をすっきり綺麗に見せてくれる、ゆとりあるテーパードシルエット。そして、長すぎない足首丈。
カジュアルでありながらほんのり醸し出す上品さの秘密は、バックのパッチポケットとステッチの入れ方にあります。
一般的には茶系が定番ですが、濃いインディゴブルーに合わせたのは白いステッチ。通常よりもステッチを入れる分量を減らしたことで、スタイリッシュな印象に仕上がりました。
履く人のキャラクターに寄り添い、その人らしさを引き出す不思議な力を持ったデニム。
元々デニムが大好きだという藁谷が、「これからも履きつづけたいし、つくりつづけたい」と語るHAUのシグネチャーアイテムともいえる一本です。