文・写真:堀井和子
オンサンデーズで、柚木沙弥郎さんの型染めのデザインの紙トートを買いました。
縦25cm 横20.5cm の小さいサイズを選びましたが、袋部分は紙が二重になっていて、持ち柄も丈夫でしっかりした造りです。
紙トートですが、買った商品のための紙バッグと違って、革製や布製トートに負けない風格があって、紙の質感を新鮮に感じます。
透明の素材を上に重ねた紙トートに魅かれたことがありますが、紙だけで勝負するトートは、この後の展開も気になります。
スズキユウリさんは現在ロンドンで活躍中の、音とエクスペリエンスをデザインするアーティストです。
彼が6歳の時、当時転勤で暮らしていたアメリカのN.J.州の我家に遊びに来て、鉛筆で描いてくれた絵をプリントしたガラス皿。N.Y.のホイットニー美術館で Calder のサーカスの展示を見た後に描いた線は、生き生きと楽し気に踊っていて威力がありました。
直径16cmのガラス皿は、木型で限定数製作してもらって、裏側に黒でプリントしました。木型で作ると、リムが流れそうな緩やかなフォルムになるので、縁に LION の文字を入れて円周を意識させることに。
他に描いてくれたイエローキャブの絵も、カッコよかったなぁ。(私の中では1986年の Yûri 君作ということで、タイトルも“Yûri 君の・・・”にしました。)
旅行中、スウェーデンの雑貨店で買ったメスシリンダー。
はっきり長めのラインと、大きめの数字・文字が印象的ですが、実験用ではなく、キッチンでドレッシングを作る時などに使う、大らかな目盛が新鮮です。
木のテーブルや白いデコラの上で撮影したら、実験道具感が出過ぎたり、ガラス面の映り込みが気になったりで、何度も撮り直しました。アクリルのトレーの上で、星耕硝子さんのガラスのオブジェと撮ったシリンダーが、見ている印象に近かったので、この画像を選びました。
焼き上げて室温に冷めた田舎パンを切り分け、 Ziploc のフリーザーバッグに入れて冷凍しておきます。
ポリエチレンの、完全に透き通らない材質に、幾分長閑で愉快な字体の白い文字のデザイン —— こんがり焼けたパンの外側の色と合わせて見るのが大好きです。
ジッパー部分が青と赤で、しっかり閉めると紫色になるのは、わかり易くてよいのですが、私は、本当は、ここも白がいいなあと時々思っています。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」