文・写真:堀井和子
長閑な散歩中、お店のショーウィンドーを、案外ちゃんとチェックしているような気がします。
見たことがない新しいアイテムが並ぶと、遠くからでも魅かれることがあり、好きなディテールかどうか、ついつい検討したくなってしまうのです。
昨年夏頃から白いデニムのスカートを探していましたが、イメージしているタイプを見つけられないでいました。
このペインターパンツは、ウインドーの一番よく見えるあたりに並べられていて(お店の人も、このアイテムを見せたいというふうに)、どうしても近くで見たくなりました。
ナチュラルな生成っぽい白に、濃紺のスティッチがきりっときいていて、後のポケットがかなり大きめ。履いてみたら、大きめでしたが、フォルムも私が好きなタイプでした。
スカートではありませんが、このペインターパンツは、自分に合って、着回せるなぁと迷わず購入しました。
洗うと少し縮むと聞いていましたが、慣れたデニムの風合いで、程よく落ち着いたサイズ感になり、裾を折り返して履くことに。
デニムや T シャツ、スニーカーなどは、今までいろいろ試してきたので、自分に合ったデザインやサイズがわかって、選ぶ時迷わなくなったかもしれません。
気に入ったデニムのペインターパンツを見つけて、今、手持ちの T シャツやベルトとの組み合わせを考えるのが、すごく楽しいです。
SEPT SEPTIÈME のジャングルジムの Tシャツと、バックスキンのやわらかめのベルト —— やっぱり、この濃紺の2本線のステッチが、いいなぁ。
2023年の新色の
フューシャピンクのカーディガンは甘すぎない、きりっとしたピンク色なので、ラフに羽織って外へ出かけたいです。
以前 T シャツ専門店で買った、濃いブルーの面に緑の文字の T シャツ。
Josef Müller Brockmann のコンサートのポスターのデザインです。
久しぶりに Brockmann の本を出してきて、数々のポスターのデザインに見入ってしまいました。
色使いも、写真や文字の構成も、本当にカッコいい。
バス停でバスを待っている時、歩道の看板の文字が目にとまりました。
ペンキの黒が雨風にさらされて、ものすごく綺麗なグレーになっていたのです。
濃いグレーのペンキを選んでプリントしたのとは違う、フワッと抜けた色合い、
キッチンクロスも、使い込んで、洗いざらした風合い、色合いが好きです。
買ってすぐの頃より、馴染んだ素直な表情に感じられるからでしょうか。
これは、繊細な織地に濃いブルーの2本線が美しい、ベルギー製のリネンクロス。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」