文・写真:堀井和子
MAROU のシングルオリジンのチョコレートは、姪のベトナム旅行のお土産。
MAROU というのは、2人のフランス人が、旅行中に出会った高品質なベトナム産カカオを使ったチョコレートメーカーで、2011年に創業したそうです。
パッケージの紙の緑と青、マットな黒に控えめな金色の文字が美しくて、2枚並べて、しばらく見入っていました。
緑の方は“ベンチェ”78%。ベンチェ省のカカオはドライココナツやグリーンバナナを思わせるフレーバーを持っているとか。
味わってみると、ほろ苦さとコクがきいていながら、酸味が爽やかなので、後口にキレが感じられる大人の風味。
青の方は“ラムドン”74%、中部高原近くの森林が広がる自然保護区で採れる、希少なカカオを使用したチョコレートです。
なめらかでフルーティーな味わいで、“エスプレッソのような酸味”がエレガント。
12.5cm×5.5cmの小さめのサイズ、極く薄いタブレットということもあり、口へ運んだ時の歯ごたえが繊細で贅沢だと思いました。
7月2日の夜、何気なくチャンネルを回して見始めた、BS朝日「鉄道・絶景の旅」は、ハノイからホーチミンへのベトナム縦断、1700km という2時間番組。
ベトナムの森林や河川、懐かしい空気が漂う街、FOOD などに心を奪われたところに、ベトナムのチョコレート。
パッケージデザインやデリケートな味わいが、ベトナムの風土の映像と結びついて、ベトナムへ行ったことがないのに、旅の余韻に浸っているような気持ちになりました。
外苑前の FUGA の前に並んでいた鉢植えの蓮。
蓮の大らかな円形の葉って、いいですね。心が落ち着いてゆったりしてきます。
初夏に白い花のヒメウツギ、濃いピンクのシャクヤク、夏になってボイセンベリーやブルーベリーなどの鉢植えが並べられていて、家のベランダには大き過ぎるサイズなのに、いつも買いたくなって困ります。
ドイツの文具会社
表紙に刻まれた「Everything Starts from Dots」は、
中のページは、シルバーに見えるグレーのドットが一面に入っているので、ちょっと長めの旅行をした時に、記憶しておきたいあれこれを、ラフにメモしたり、スケッチしたりに使えたらと考えています。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」