文・写真:堀井和子
家にある材料で何か食後のデザートをという時、楕円の白い焼き皿でクレーム・カラメルやフランを作ります。最近気に入ってよく作るのが、クレーム・カラメルより卵の分量を減らして、さつまいもだったら、クリームとスイートポテトの中間くらいの食感に仕上げるタイプ。
さつまいもは皮をむいてザクザク切って、水ひたひたで、柔らかくなるまで煮ます。木ベラでつぶしながら水気をとばし、つぶしきれない塊が少し残ったマッシュドポテト状に。
砂糖、牛乳、バニラのアイスクリーム少量、ラム酒を混ぜ合わせ、卵を加えて泡立器で全体を混ぜて、焼き皿に流し入れます。オーブンは湯煎にして、125℃で約25分焼きます。
この楕円の焼き皿は、長径23cm 短径15cm 深さ4cm で、だいたい4人分の量が作れます。(つまり、2人だったら、2度の食後の分) 少人数の場合、このくらいのサイズがちょうどよく、作り慣れると、卵や牛乳の分量も、今日はクリームっぽくとか、ややしっかりめとか、自分で調整できるようになります。
砂糖は喜界島の粗糖(きび砂糖)を使って、甘さは味見して決めます。生クリームは買い置いてないので、冷凍庫にいつもあるアイスクリームでコクを加えます。
リンゴ、洋梨、バナナとクルミ、プルーンのコンポートなどは、コーンスターチを牛乳でなめらかに溶きのばしたものに他の材料を加えて、クラフティタイプに。
気が向いた時に、家にある材料を使って目分量・手分量で作っておいしく仕上がると、自信がついて、くり返しトライしたくなると思います。
縦19cm 横18cm 厚さ7cm の、小さいクルミの木の皮の手さげカゴ。
東京で開かれた光原社展で購入しました。グレイッシュな木の色に、濃いこげ茶色の部分が合わさった編み組みのカゴは、クルミのしっかりした木の表情が頼もしい。20年以上年月を経た今も、きりっと美しく、こんなに小さいサイズなのに、見ていると岩手の山や森を想わずにはいられないのが不思議です。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」