文・写真:堀井和子
妹がお裾分けの果物と野菜を入れて手渡してくれた紙製バッグ。
濃いグレーのロゴ、マチ部分のオレンジっぽい朱色のストライプ、持ち手の紙紐は、テーブルに置いた時ハッとしてワクワクし始めるデザインだと思いました。ロゴの反対側は、白地に白で CHIFFON の文字が一面にレイアウト、その上に濃いグレーで MICHEL CLAVIS(お店の名前)の文字とイラスト、袋の内側の持ち手接合部分に住所が印刷されています。
私がシフォンケーキをお店に買いに行くのは先になりそうなので、今回は朱色が記憶に残るパッケージデザインについて書きました。
贈りものでいただいた SUAVINA オリジナルリップバームのパッケージも素敵でした。
アイボリーの円形の容器は、表面に SUAVINA、裏面は周囲に極く小さな文字が刻まれています。紙箱は側面が朱色で、4cm×4cm と小さいサイズながらインパクトがあって、つい手に取ってみたくなるデザイン。
唇に負担をかけずに塗ることができるそうなので、この冬試してみようと思います。
山型パンを焼くのが面白くなりました。
遠くへ出かけない日々を過ごすようになって、家にいる時間もたっぷりあるので、パンは買わないで家で焼くように。
大きな丸い田舎パンの形やハードロール、クッペはしょっちゅう焼いていましたが、食パンはお店によって風味、食感がそれぞれ違うので、時々遠くまで買いに出かけていました。だんだん自分が素直においしい、好きだなぁと感じる食パンがつかめてきたこともあり、家で粉の配合、1次発酵や最終発酵の温度と時間など、少しずつ変えては味わうことをくり返しています。
寒い時期、じっくり発酵に付き合うと、山型パンが格別な焼き上がりになるのも嬉しくて。
山型パンは、焼き上がってすぐに切り分けることはできません。室温に冷めたら端を少し切ってお味見、さらにもう少し置いてから、1.3cm くらいの厚さに切り分けます。
中身がふんわりしているので、とても切りにくいのですが、最初皮目にナイフを入れ、前後の幅を確認しながら底の方まで切っています。端の皮付き部分は厚めにカットして冷凍し、100℃のオーブンで10分ちょっと温めて食べるのが気に入っています。
我家の山型パンのトーストは、焼いてカリッとした部分の香ばしさと中身の弾力、ゆっくり発酵させた粉の風味が特徴です。パン生地に無塩バターなどの油脂を加えない方が、トーストした時に香りと飽きない味が際立つように感じたので、このタイプを焼き続けています。
説明するのはむずかしいのですが、味わってみると、自分の好きなパンはこちらのタイプとわかる —— くり返し焼いているうちに、迷わなくなる感じでしょうか。
キッチンのオーブンの右上に、姪が子供の頃描いたパンとバターの絵を掛けてあります。色鉛筆のパンの外皮の色、いつも、すごくおいしそうな焼け具合に見えます。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」