文・写真:堀井和子
10年以上前に、冬のセールで購入した縮絨ウールのオーバーコート。
下北沢のお店のセールでは、このピスタッシュみたいな黄緑と白のコートが残っていて、サイズが合う方がこちらでした。
冬のオーバーコートは、DIC F272 Varech みたいな緑系のカーキ(20年前のコム・デ・ギャルソン製)、縮絨の濃いグレー(10年前のディーゼル製)、黒(さらに昔買った iNDiES 製)と、ダークな色をずっと大事に着ています。
このコートの DIC F220 Pistache の色に好奇心を刺激されたこと、フェルト状に加工する縮絨の風合いが好きなこと、外側にステッチが見える仕上げかたや、こげ茶色のボタンのレイアウトにぐっと魅かれたことで選択しましたが、実際に着て外出し始めたのは最近になってからです。
流行に関係なく着ることができそうなデザインや形、ディテールが元々好きで、サイズもどちらかというと大きめを選んでいるので、セールで買ったアイテムを、数年経過してから着始めることがあります。
このピスタッシュ色のコートを着るには、勇気が要りました。
どんな色も着てみないと、着ておかないと、という年齢になったので、ピスタッシュ色のコートをこの冬やっと。
このピスタッシュ色のコートは、グレーのデニムのパンツや、こげ茶色かグレーのマフラーと合わせていますが、企画展のために作ったクリアバッグも、いいアクセントに。
スコットランドのカシミアのグレーのマフラーは、大きめで、ずっと大切にしている1枚です。
クリアバッグの場合、冬は、細かいあれこれをハリスツィードの薄いグレーのフラットポーチに収めて入れます。
このポーチは、25 cm × 15 cm で、内側に銀色のコーティング加工が施されているもの。
パリの雑貨店 maison georgette で見つけました。
フワッとやわらかなツィードの素材が、クリアバッグによく合う気がして、冬のコーディネイトを、面白く感じています。
真冬の新宿御苑の午前11時47分、芝生が色を抜きとったようなグレーに写っています。
右端の鳥は多分、ハクセキレイ。住んでいるマンションの庭でも、たまに見かけます。
尾がすーっと細長くて目が小さく、左右の足を交互に出してスピーディーに軽快に歩く様子がカッコいい。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」