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堀井和子さんの「いいもの」のファイル

第79回:革の眼鏡ケース/PUMAのキャンバス地スニーカー/新宿御苑/朴の木

文・写真:堀井和子

眼鏡ケース

 散歩の途中、ショーウィンドーに革製品が並んでいるのに気がつきました。

 鹿児島の RHYTHMOSリュトモス さんの企画展示で、財布や小銭入れ、パスケースなど、様々な用途のアイテムは、革の仕上げの色見本を選んで注文できるようでした。

 こちらは眼鏡ケースとして展示されていたわけではありませんが、テーブルに置いた時、安定感のあるフォルムとシンプルなデザイン、革の色がさり気なくて魅力的。飽きることがない様子に思えました。
(私ではなく、パートナーが、ずっと眼鏡ケースを探していて、この形のケースなら、家で使う眼鏡ケースにぴったりと奨めました。)

 RHYTHMOS さんの革製品は、植物タンニンなめしの天然皮革を使用して、ひとつひとつ職人の手縫いで仕上げているそうで、日々使い込んで経年変化を楽しめるのはいいなぁ。

 注文してから8カ月はちょっと長かったけれど、待った甲斐があったかと。

PUMA

 スニーカー好きの私が一番大事にしているのが、“PUMA スニーカー ローカット ロウ 34539103 キャンバス ロゴ 白・・・”。

 10年くらい前に買って履き始めてから、夏になるとキャンバス地のスニーカーがお店に並ぶので、ずっと買い続けようと考えていました。

 自分の足の形に合っていて履き心地がよく、長時間歩いても、ソールがしっかりしているせいか、疲れず、たいそう気に入っていたのです。

 ところが、製造中止になってしまって、今、我家には、予備に買っておいた2足だけ存在しています。

 履きつぶせなくなったので、雨の日は履かないようにして、さらに、特別な日にだけ履くように。

 ただ、人間の健康寿命を考えると、元気に遠くまで歩けるうちに履いておかなくちゃとも思って、他のスニーカーもまだ積極的に試しつつ、ローテーションを工夫しているところです。

新宿御苑

 7月初めの新宿御苑、平日、雨の後に出かけましたが、人が少なく、空気が澄んでいて、樹々の緑がたいそう美しく感じられました。

 桜の時期や土・日の晴れた日は避けて、ひっそり静かな中、樹の様子を見に行くことが多いです。

 6月から7月にかけては、泰山木やヒメシャラの白い花や、琵琶のオレンジ色の実を、緑色の間に見つけてハッとします。

朴の木

 これは梅林の北側で枝を張った朴の木。大きな楕円形の形の葉を見て、以前、木曽のあたりをドライブ中に和菓子屋の看板を目にして、描かれた形に魅かれ、買い求めた「朴葉巻き」のことを思い出しました。

 米粉を練って作った餅に小倉あんを包んで朴葉で包み、い草で縛って蒸し上げたお菓子で、初夏のやわらかな朴の若葉で包むため、この季節限定のものだとか。

朴の木

 朴の葉の香りは想像していたより、ずっとしっかりしていて驚きました。
 朴葉は殺菌力が高いため、保存性があるので用いられたそう。

 秋田の笹の葉で包んだちまきもそうですが、こんなふうに季節の様々な葉を使った美しい食べものを知ると、日本の各地域の伝統食が、ずっと作り続けられるといいと、つくづく思ってしまいます。


Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」


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2023/07/11

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