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フィリップ・ワイズベッカー Interview
進んだり戻ったりを繰り返しながら。

現在「GALLERY CLASKA」 では、 フランス人アーティスト フィリップ・ワイズベッカーさんの展覧会 「BACK AND FORTH」 を開催中です。
60点以上にのぼる新作を中心に100点余りの作品を展示。
今回の展覧会に込めた思い、 そして展覧会開催を記念して制作をしたエコリュックについてお話しを伺いました。

写真:CLASKA、 野口祐一 文:CLASKA 通訳:貴田奈津子(Bureau Kida)

Philippe Weisbecker(フィリップ・ワイズベッカー)

1942年フランス生まれ。 1966年に国立装飾美術学校を卒業後、 1968年にNYに渡りアーティスト、 イラストレーターとして活動。 広告や書籍・雑誌のイラストレーションを多数手がけながらアートワークも制作。 2006年フランスに帰国。 現在はパリを拠点に活動を続ける。 CLASKAでの展覧会開催は、 6度目となる。

展覧会「PHILIPPE WEISBECKER / BACK AND FORTH」
https://www.claska.com/gallery/philippe-weisbecker-back-and-forth/


フィリップ・ワイズベッカー

前回の 「in sight」(2021) 以来、 2年ぶりの展覧会です。 今回のタイトル 「BACK AND FORTH」 に込めた思いをお聞かせください。

作品を描く時、 前に進んだり戻ったりしている感覚が常にあります。 例えば私は昔からモチーフの一つとして 「建物」 を描き続けていますが、 今回展示している建物を描いた作品は定番の鉛筆ドローイングだけではなく、 ペインティング作品もあって。

やはり鉛筆で描くのとは勝手が違いますか?

そうですね。 慣れない方法ゆえに少し自信が無かったりするので、 そういう時は一度鉛筆で書くことに戻ってみるんです。 「あ、 いけるな。 大丈夫だな」 という風に思えたら、 また画材を変えてペインティングに戻ってみる。 こんな感じで行ったり来たりしながら作品を描いているので、 自分のスタイルをそのまま展覧会のタイトルにしました。
フィリップ・ワイズベッカー

先日、 81歳のお誕生日を迎えられました。 フィリップさんのキャリアから考えると、 どこか謙虚なタイトルのように感じるのですが……。

いえいえ。 自分が慣れたやり方で描き続けることは自信に繋がりますが、 同じことを繰り返すのは退屈なので新しいことに挑戦してみたいという気持ちがあります。 でも、 やはり不安はあるので、 そういう時は一度後ろを振り返ってみるんですね。 そうすることで安心感を得ることができて 「前に進みたい」 という気持ちに自信を持つことができる。 これまでの私の人生、 すべてそういう感じですよ(笑)。

今回展示されている作品も実に様々な手法・素材を使ったものがあり、 とてもワクワクします。 挑戦を続ける原動力はなんでしょう?

いつか自分にとっての “真実” を見つけたい、 という気持ちでしょうか。 今はまだ道半ば。 「これでいい。 見つけた!」 と言いたいところですけど、 なかなかそうはいかないですね。
フィリップ・ワイズベッカー

なかなか 「満足感」 のようなものは得られないですか?

そうですね。 ただ面白いのが、 自分の作品をアトリエで見た時は 「うーん、ちょっと……」 と思うこともあったりするのですが、 自分の手を離れて綺麗に額装されてギャラリーの壁に飾られると 「うん、 悪くないね」 って思うんです(笑)。

展覧会の度に、 フィリップさんの新しい挑戦に触れることができるのを、 これからも楽しみにしています。

どうもありがとうございます。 是非、 展示会場に足を運んでいただけると嬉しいです。
フィリップ・ワイズベッカー

エコリュック「TOTE BACK」ができるまで

今回の展覧会に合わせて何かグッズをというご相談をさせて頂いた際 「2WAYのリュックがいいのではないか」 というご提案を頂き、 制作させていただきました。

アトリエから自宅に帰る時に野菜や果物など食べ物を買って帰ることが多いので、 パソコンを入れているリュックとは別に普段からエコバッグを使っているんですね。 リュックとして背負えて且つ、トートバッグとしても機能するような2WAYのエコバッグがあったら便利だなと思い、 提案させて頂きました。
フィリップ・ワイズベッカー
TOTE BACK WEISBECKER / ライトグレー
展覧会「BACK AND FORTH」の会場である「GALLERY CLASKA」と、CLASKA ONLINE SHOPで販売中。

自作のプロトタイプをパリから送ってくださいましたが、 なんとご自身でミシンを使ってつくられたとか。

そうです。 蚤の市で買ったスイス製の1950年の古いミシンで。 でも、 あまり上手じゃないですね(笑)。
フィリップ・ワイズベッカー

デザインのポイントは?

トートバッグとして持った時もリュックとして背負った時も感じよく見えること。 日本人は小柄な方が多いので、 手に持った時にショルダーストラップが地面につかないよう短めにしました。 気になるようであれば、 こんな風に持ち手の間にストラップを入れるなど工夫すると良いかもしれません。
フィリップ・ワイズベッカー
TOTE BACK WEISBECKER / ベージュ

素材に関しては、 柔らかくて軽いものをというリクエストをいただき、 ナイロンを提案させて頂きました。

小さく折りたたんでバッグの中にしまってもシワにならないところが気に入っています。 本来バッグに関してはコットン製が好みなのですが、 どうしても折りたたんだ時にシワになってしまいますから。 薄い生地なので角ばった極端に重いものを入れるのには不向きかもしれませんが、 薄手の上着やパン、 果物など “かさばるけど、 そこまで重すぎないもの” を入れるのに便利だと思いますよ。
フィリップ・ワイズベッカー
TOTE BACK WEISBECKER / ライトグレー

色はベージュとライトグレーの2色。 CLASKAのディレクター・大熊が 「ワイズベッカーさんらしい色を」 という視点で選ばせて頂きました。 いかがですか?

大熊さんと私は感性が似ているんです。 とても気に入っていますし、 嬉しいチョイスでした。

先日、 京都旅行に行かれた際に早速お使いになったそうですね。

はい。 洗面道具を入れたり小さな本を入れたり、 なかなか実用的で使いやすかったです。 バッグの中に入れておくと、 なかなか役に立ってくれるバッグだと思いますよ。
フィリップ・ワイズベッカー
TOTE BACK WEISBECKER」 左:ライトグレー 右:ベージュ

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2023/04/05

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