茶色いやわらかなふさふさの毛と、そこからのぞくつぶらな瞳が可愛いノルウェージャンフォレストキャットのオキ。クールなルックスとは裏腹に、遊び好きな一面もある優雅な雰囲気の漂う猫。そんなオキとの日常について話を聞きました。
写真・文:加藤孝司 編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)
猫:オキ(2歳10ヶ月) ノルウェージャンフォレストキャットの女の子。好きなものは魚とヨーグルト
男:福間篤樹 美容室経営。相撲鑑賞と、植物の世話が好き。http://huku-hair.com
とても素敵なお宅ですね。リノベーションをされたとか。
- 購入してすぐに、間取りから変えてワンルームにしています。結露がひどかったので、風通しがいい間取りにしました。
ここに引っ越して来た時には、すでにオキちゃんを飼っていたんですか?
- 引っ越して、しばらくしてからです。僕はずっと猫が好きでしたが、妻はどちらかというと犬派で。説得するのは大変でした。
そうなんですね。それでどうして飼うことになったんですか?
- 5年ほど前に2人でニューヨークに旅行をしたのですが、宿泊場所として借りた家にものすごく人懐っこいブリティッシュショートヘアの猫がいたんです。その子がきっかけで、ようやく妻の心が動きました。それで、帰ってきてから保護猫のサイトを頻繁に見るようになったんです。その頃はいつも猫、猫って言っていました(笑)。でも、妻が仕事柄出張が多く、僕も店をやっていますので、「留守中、一人になるのも可愛そうだよね」と。そうこうしているうちに、たまたま近所のペットショップに入った時に、この子に出会ったんです。
そうでしたか。
- その時既に他の子猫より少し大きくなっていて。何度か足を運んだんですけど、いつまでもこの子だけが残っていたんです。僕らが行くとゲージに頭を押し付けて、出してほしそうな顔をして。それで「抱っこして大丈夫そうだったら、うちで飼おう」と。……そういう経緯で飼うことになりました。
運命的な出会いですね。
- 運命。この子にとってもそうだったらいいですね。
ところで、「オキ」というのは、猫の名前としては少し変わっていますね。
- 僕の生まれが島根県で隠岐(オキ)という音の響きが気に入っていたのと、妻の実家の犬の名前がネルだったので、「寝る(ネル)と起きる(オキる)」、という2つの意味を重ねています。
オキちゃんはどんな性格ですか?
- 女の子ということもあってか基本ツンデレ。デレデレの割合が高いかな。
ウチの猫(Vol.1のジャスパー)はオスなのですが、猫って性別問わずそういうところがある気がします。
- やっぱりそうなんですか。ジャスパーくんもデレデレしますか?
基本ツンの方なんですが、帰宅した時とご飯の時にはゴロゴロいいながら僕の顔に額を押し付けてきます。
- 可愛いですね。オキはわがままですけど、猫なのにどんくさいところがあって、そこがものすごく可愛いんです。僕が帰宅してご飯を食べていたりすると、なんか視線を感じるんです。それでオキの方を見ると壁から半分顔を出してこちらをジッと見ていたり。「遊んでよ」みたいな(笑)。そういう主張はありますね。
ウチの場合は男の子ということもあって、奥さんの方にべったりなのですが。オキちゃんはどちら派ですか?
- オキ的にはポイントがあって、僕に対しては「遊ぼう」といいますし、妻の方には「おやつ!」ですね。完全に役割を決めている感じで。
オキちゃんのお気に入りの場所はどこですか?
- ブラインドの裏とか、キッチンの窓のところですね。朝は外の木々に鳥が来るので、よく外を見ていますね。景色を見ている後ろ姿が可愛いんですよ。それと、寝ている時の顔がお相撲さんみたいで、それも愛らしくて(笑)。朝は必ず僕のところに起こしに来るんですが、それがまたたまらないんですよね……。早朝4時か5時くらいに来て、布団の上に乗ったり、腕枕をねだるんです。
いつも篤樹さんの方に来るんですか?
- 朝は決まって僕のところです。1時間くらい腕枕で寝て、それに満足すると一度どこかに行って、それで6時半くらいにまた起こしにくるというのが、毎朝のルーティンです。
それはすごく羨ましいですね。ウチは一緒に寝ないですからね。あ、冬は奥さんの布団の上で寝ています(笑)。でも決して僕の上には来ません。最後に本質的な質問なのですが、篤樹さんにとって猫ってどんな存在ですか?
- 平たくいうと家族ですし、僕ら2人にとってはなくてはならない存在です。子どものようでもあり、恋人のようでもあり、家族のようでもあり、自分の一部でもあります。
わかります。そうなりますよね。
- オキがそう思っているかはわかりませんが(笑)。ずっと前、僕がまだ美容師のアシスタント時代に猫と暮らしていたことがありました。その時はものすごく忙しくて、かまってあげられる時間が少なかったんです。その後悔もあって、オキとはたくさん遊んであげようと思っています。ずっと犬派だった妻も、今ではオキにべったりなんですよ。