文・写真:堀井和子
妹が、庭で咲いた草花を届けてくれました。
毎年、初夏に狛江の庭を訪ねると、あちこちに素敵な草花を見つけては心を踊らせていたのですが、昨年・今年と見ることができませんでした。
昔、母が植えたバラやブルーベリー、山野草の他、妹夫婦は、丹念に探して、小さな野草からつる性、ハーブ系の植物まで、様々な種類を自然に馴染むように植え育てています。
ムベのつる、テリハノイバラ、ブルーベリーの枝に白いカタバミ、エリゲロン(源平小菊という和名、ハルジオンの仲間)、パイナップルセージ、ワスレナグサ、カラスノエンドウなど、庭じゅうの初夏の草花を丁寧に水上げして包んでくれました。テリハノイバラとカクテル、モッコウバラは大きなガラスのピッチャーに、小さめの草花は妹がひとつにまとめてくれたまま、すっとガラスの片口に。
微妙に違う白や淡いクリーム色の花、やわらかな緑色の葉はこの季節に見ることができる美しいコンポジションで、パイナップルセージでしょうか、爽やかないい香りも漂っています。
いつもの朝食の時間も、狛江の庭の草花を見ながらだと特別に感じられます。毎日、少しずつ
テーブルクロスは、マリメッコの "KALASAASKI"。
端切れをセールで買ったため、長さが足りなくて中央で接ぎ合わせてあります。接ぎ目を綺麗に合わせられませんでしたが、このコクのあるカフェ・オ・レ色と、斜めになったり重なったりのストライプのデザイン、大好きです。
8日目、まだ元気に花を咲かせているエリゲロンとブルーベリーの枝、ムベのつる。途中でテーブルクロスもマリメッコの石本さんがデザインした "MAISEMA" に変わっています。黒やブラウンのクロスは、新緑の頃、テーブルに掛けることが多いです。ガラスを通して見る外の緑のおかげで、重かったり淋しかったりの印象なく使えます。
Mielizia イタリアのオレンジの有機蜂蜜です。
優しくておっとりした風味で、爽やかな後口、パンによく合います。
瓶の蓋が黒、ロゴと BIO の文字の黒、白いオレンジの花と文字のオレンジ色、裏側の説明文の文字の白 —— 蜂蜜の瓶ではあまり見ない色使いで新鮮です。クリームっぽい明るい蜂蜜の色が、ナチュラルでおいしそうに見えるパッケージだと思いました。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」