Vol.14　新しく迎えたキッチンスツール／着心地の良いインナー

写真・文：藁谷真生（HAU デザイナー）　イラスト・挿絵：natsume

Profile
藁谷真生　Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET（ブランケット）」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU（ハウ）」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes

家の中で一番好きな場所、それはキッチンです。
我が家のキッチンはカウンターキッチンで、少し独立したつくりが気に入っています。ベランダに繋がる窓ガラス付きのドアもあるので、外の空気や光を感じながら料理できることもお気に入りのポイントです。
そんな大好きなキッチンに、新しくスツールを迎えたのは最近のこと。以前から、ここに椅子があったら良いな。と、とりあえず今ある低い踏み台に腰かけながらその必要性を検証したりもしていました。
最近訪れた古道具屋さんで見つけたのは、店主の方がドイツで買い付けてきたという1950年代のスツール。天板が木で脚は鉄製のエメラルドグリーンのパイプの組みあわせは、木の温もりとプロダクト感が融合した程よく無骨なバランス。トップが正方形の為、スツールとしてではなく、飾り台としても使えそう！と色々理由をつけながらもやはり見つけた傍から頭からはなれず予想通り購入。
持ち帰ったスツールはサイズも佇まいもぴったり！　ドアの近くにおいて夜風を感じながら一息つくのが最近のお気に入りです。

スツール — リビングから死角になるこの位置は、ちょっと一人になりたい時にちょうど良い場所です。わざわざリビングに行って座り込むまでもないときにも重宝しています。

さらっとした肌ざわりが今の季節に心地よい一枚

いよいよ夏本番。いつもの服で少しでも快適に過ごせたら！という思いでかたちにしたのがテレコの生地で作ったタンクトップ。重ね着しても暑さを感じにくいこのインナーは60単糸という繊細な薄手の生地を使用しているため、カットソーやブラウスに一枚着るだけでとても快適で一日中心地良く過ごすことができます。
伸縮性にも長けている生地は窮屈な感じは全くせず、軽やかで優しいフィット感。特にこだわったのは色。肌馴染みが良く、HAUの服との相性を考えてみると、自ずとはっきりとした色味ではなく、どこか淡い色味の方が重ねた時のバランスが良いのでは？と、アイボリーとチャコールの2色をオリジナルカラーで作りました。裾には真鍮のパーツがさりげないポイントに。
ほのかに透けて見えるインナー、襟ぐりから覗くインナーの見え方と色のバランスもとてもきれいです。