文・写真:堀井和子
文旦や甘夏柑のマーマレード、苺や杏のジャムは、我家の朝食のために季節になると煮て瓶詰めしてあります。蜂蜜は、少し結晶したシャリシャリ白っぽいタイプが好きで、いろいろ試してみては、気に入った種類をリピート買いします。
日本橋の三重テラスで見つけて、聞き慣れない名前と白っぽくシャリシャリした様子に魅かれて最初に味わったのは、川村養蜂場のくろがねもちの蜂蜜。爽やかでいながらちゃんと個性も感じられて、おいしかったです。先月、久しぶりに“百花のはちみつ”を買って自家製山型パンのトーストといただきましたが、すっきりした優しい香りと自然なコクのバランスが素敵でした。さらに“初夏のはちみつ”も味わうことができました。こちらは初夏に採れたくろがねもち系の百花蜜ということで、淡い色合いと懐かしくてすっきりした香りが、とても魅力的でした。蜂蜜もワインのように、香りや味がそれぞれ違うことも興味深く感じられます。
BREAKFAST の箱入りセットに、この川村養蜂場の“初夏のはちみつ”が入っています。
右に重ねたのは、星耕硝子さんのガラス "Carré" と "Rectangle"、長谷泉さんの白木の平たいバターナイフ。ガラスとナイフ、1点ずつのセットで販売します。蜂蜜をパンに塗った後のナイフレストに使うこともできますが、ガラスの色やトロッとした質感、木目を生かして丁寧にサンドした白木の表情を見つめて欲しいなぁと思っています。
今回の企画展のために、BREAKFAST の文字を三面に箔押しした紙箱を特別に作りました。細長くて、上が開く、ちょっと面白いプロポーションです。デザイナーの井上庸子さんが、テキパキと、BREAKFAST にぴったりのカッコいい箱に仕上げてくれました。文字の色は濃いめのグレー、朝のきりっとした空気に合いそうです。
中には、マカイバリ茶園の紅茶、“深やき珈琲 そにろき”のコーヒー豆、川村養蜂場の蜂蜜の他、コラージュ文字が白で入ったトートバッグ、FROMAGE 柄の大判ハンカチーフのセットを。しっかりした紙箱なので、カードや文房具などの収納用にスタッキングして使うのもおすすめです。
企画展会場のツリーは、佐藤祐子さんに銀製オーナメント2種類をお願いしました。ブローチより銀の純度が高いそうで、シンプルな円形が贅沢に光を反射します。四角い方にはアルファベットの a, b, c の文字が刻まれています。
星耕硝子さんの2点のガラスは、1方のリムをサンドブラスト加工でフワッと白く霞むようなデザインにしていただきました。
野田敬子さんの陶器は、今回少しだけ温かみの増した白の釉薬で。
CLASKA ONLINE SHOP で販売するツリーは、前回紹介した長谷泉さんのアルミのオーナメント2種類が入り、動きがあって飄々とした表情になっています。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
1954年東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」
1丁目ほりい事務所
BREAKFAST 展
[会期]2021年11月20日(土)~12月12日(日)
[営業時間]木曜~日曜 13:00~18:00/月・火・水曜定休
[会場] GALLERY CLASKA(東京都品川区上大崎4-5-26 マンション雅叙苑2号館101)
> more information