写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
あけましておめでとうございます。
まだまだお正月モードが抜けない新年1週目。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私は例年大掃除に時間を費やしてしまうので、今年は日頃からこまめに着手することで大掃除の時間を省くことに成功しました! 当然手を付けていないところも実はありますが、そこは大らかに構えて気が向いた時に取り掛かるという事にしておきます(笑)。
今年からは約3年半続いた連載「
今着たい服、こんな服。
」改め、「HAUのたね」という連載がスタートします。HAUの服は暮らしから生まれるデザインのものが多いんです。それは料理をしている時であったり、家で過ごしている時であったり、外に出て刺激を受け、気持ちが動いた時であったり……。一つ一つ目にするものがまるでたねのように、そしてやがては服としてかたちになります。私自身が暮らしの中で大切にしているモノやコト、それにまつわる服のお話を少しずつ、皆さまにお届けできたらと思っています。
さて、第一回目はおせち料理に作るもの。
義理母が一人で作っていたおせち料理を、私を含めお嫁さん三人で作り始めたのは数年前のこと。毎年何かしら失敗もありますが、繰り返し作っているうちに見栄えも良くて美味しく仕上がるコツも見えてきました。細々と何種類かは作りますが、中でもご飯もの担当として私が作っているキンパは今年で3年目。仕上がりが華やかで失敗もしにくく、お重と並べるとさらに特別感が出るので作り甲斐もあります。大晦日には練習として多めに作り、私の実家にも持って行ったりと、大体我が家の年末年始は3日間くらいキンパを食べて過ごしているような気がします(笑)。
新年は真っさらなインナーをワードローブに迎えて。
今年で2年目になるtops "thermal"。
インナーとしてはもちろん、袖周りにもゆとりがあるため、一枚で着ても様になるこのカットソーは、生地に程よい厚みとしっかり感があるため、透け感もほとんど気になりません。天然素材でありながらも保温性と吸水性に優れている生地は、ウールを芯に周囲を綿で包んだ二層構造の糸で、暖かさを外に逃がしにくく、まさに今からの寒い冬にはピッタリな一着なんです。私はこのインナーにローゲージベストを重ねる組み合わせが好きですが、春になったらシャツの下にも重ねてみたいです。袖が出ていても機能性のお陰で温かく、厚みのあるアウターの下にもちょうど良い。重ねた時に覗くゆるやかなカーブもお気に入りです。
<<今回紹介したアイテム>>
◎ tops "thermal"
◎ knit vest "slub yarn" / ブラック
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