写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
6年生にもなると学校の家庭科の授業でミシンを習い始めるようです。今年の春には中学生になる長女。それまでは気が向いたときに簡単な小物を手縫いで作る程度でしたが、ミシンが出来るようになってからはより難しいものに挑戦している様子。
私のアトリエには、専門学校の入学祝いに祖母に買ってもらった20年選手のJUKI製の工業ミシンがあり、最近は長女もそのミシンを使いこなせるようになりました。工業ミシンはデニムや革など厚い布地も縫える、実際の縫製工場でも使用されている本格派ミシンです。
ある日iPadで「トートバック 縫い方」と検索する娘。好みのデザイン、且つ自分で作れそうな動画を探して帆布のミニトートを作り始めました。(実際に私が教えると細かいところが気になって時間がかかる上、ちょっとした諍いになるのでYouTube先生は本当にありがたいです✳︎)
出来上がったトートはLL.Beanっぽい王道トートで、初心者ゆえの歪んだステッチも味になり、なかなか良い仕上がりなのでは⁉︎ここにお気に入りの缶バッチを付け足していくのが彼女の最近のブームのようです。
ショルダーの幅を見直した定番のツールトート
堅牢なキャンバスバックもかっこいいけれど、HAUで作りたかったバックはどんなスタイルにも馴染むような斜めがけ出来るツールトート。ころんとした優しい丸型のフォルムと適度なハリ感のある綿麻生地で作ったバックは、実際身につけた時の納まりも良く、荷物をたくさん入れてもかたちが変わりにくいため、急に荷物が増えてしまった時も安心です。
販売開始から2年弱。私自身が使っているうちに気付いたのが、もう少しショルダーの幅が太ければ長時間掛けていても肩が疲れにくいし、より無骨なバックの雰囲気に近づくのでは?というところ。より理想のバックに近づけるため、今回1センチだけショルダー幅を太く改良しました。以前はショルダー部分に施していたステッチも2本から3本に。よりカジュアル感の増したツールトートは男女問わずお使い頂けます◎
<<今回紹介したアイテム>>
◎canvas bag "tool tote 1" / ブラック
◎canvas bag "tool tote 1" / アイボリー
◎ inner cotton coat "warm" / ベージュ
*今回幅が太く改良されたバッグは黒のみで、アイボリーは通常の幅のままになります。