一昨年の春にスタートした、堀井和子さんと「CLASKA Gallery & Shop “DO”」が共につくる大人の日常着「sept septième(セット・セッティエーム)」。
連載第2回から第6回にかけては、新作アイテムにまつわる堀井和子さんのショートエッセイを日替わりでお届けします。
#Essay 01.
「杏のコンフィチュールみたいなオレンジ色」
昨年の対談で、エディトリアルデザイナーの若山嘉代子さんに見せていただいたドット柄シャツの大人っぽいオレンジ色が印象的でした。
Vividな色の無地、フュクシャブルーやルージュ・オランジュの色をイメージして、生地のサンプルの中にないか、一生懸命探しました。こちらのシルク/綿ローン生地のオレンジ色が一番イメージに近かったのですが(ピンク系は澄んだ色合いが見つかりませんでした)、生地がとても薄いため、荒井菜穂さん(CLASKA Gallery & Shop "DO" アパレルデザイナー)に2枚仕立てでつくることを提案して頂きました。
2枚仕立てのサンプルを見るまで、本当にドキドキしていましたが、透ける生地を重ねることで、澄んだ光沢のある杏のコンフィチュールみたいな素敵なオレンジ色に。
派手過ぎず、艶っぽ過ぎず、少し心が浮き立つようなYシャツが仕上がりました。
グレー系、ベージュ系などのきちんとしたスカートと合わせても、デニムと合わせても、このシャツの色が記憶に残りそうです。
堀井和子
写真:本多康司
文・編集:落合真林子(OIL MAGAZINE / CLASKA)