文・写真:堀井和子
コルシカ島南西部アジャクシオの白ワイン “AJACCIO BLANC CUVEE LESIA 2019”。
ワインのエチケットのデザインが、シンプルでモダンな印象で、どんな香りや味なのか興味を覚えました。
使っている字体はゆったりしているけれど、幾分個性的なニュアンスを感じます。
星マークと文字の金色、活版印刷の風格みたいなものも合わさって、爽やかに迫ってくるデザインだと思いました。
果実味が豊かで、バニラ香のせいかコニャックのような深みもあるのに、デザインの印象通り、爽やかできりっとした飲み心地。夏野菜や魚のグリルの味を持ち上げてくれるのがいい。
コルシカ島のワインは、赤やロゼも、この夏よく飲みましたが、この LESIA の白も、またリピートしたいワインになりました。
こちらの黒のバインダー2冊は、私が今までに出合ったカッコいい紙片のコレクション用です。
14.7cm × 21cm の小さいサイズで、シルバーのリングが3ヵ所というデザインも、気に入っています。
外国旅行で立ち寄ったお店のショップカード、柳のカゴに付いていたタグ、ミュージアムのチケット、ハシバミオイルのラベル、ワインのエチケット・・・etc。
左の3枚は、京都の錦市場で買った、しろはな豆、うづら豆、ひよこ(くり)豆のラベル。
お店のロゴマークに使われている漢字や豆の種類の平仮名、電話番号の数字が、わかり易く、一目でこのお店と伝わるデザインで、見るたびに平仮名にハッとします。
右は、ペリゴールのパテの缶詰に巻いてあったラベル。フランスで見つけた手描き文字を使ったラベルの中でも、特に大切にしている一枚です。
連載第69回でレンガ屋のクッキーの缶について書きましたが、代官山のティールームで使っていた紙のコースターとショップカード、小さいシールなどもこのバインダーに。
コースターは直径9cm、佐野繁次郎さんのイラストと手描き文字は、何とも言えない雰囲気のある黒で印刷してあって、今見ても息を飲むほど美しい。
ショップカードの赤も、この赤にこだわって選んだことが伝わってくるような色です。
うさぎやのどらやきの紙箱。
厚手の紙でしっかりした四角い形ではなく、薄手の紙で、ふくらんだようなやわらかい形が、どらやきと何ともよく合っていて好きです。
一筆描きの線の中に、うさぎやのロゴ、住所と電話と一言メッセージがレイアウトされていますが、この紙箱を見ると、どらやきのふんわり湿度を含んだ皮のやわらかさと、小豆の風味を思い浮かべて、上野へ買いに行きたくなります。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載 > 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」