写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
お盆も明け、季節は立秋へ。
今年の秋冬は "湯気"をテーマに、身も心もほんわかと温まるアイテムや、HAU らしい重ね着のスタイリングをご提案します。 本日
ビジュアルの公開日! まだまだ暑さの厳しい日が続きますが、しんと静まる季節に想いを馳せ、皆さまのコーディネートのイメージがムクムクと広がれば幸いです。
2023 Autumn&Winter collection
「 湯気 」
澄んだ冷たい空気の中でポットを沸かす音。
少しずつ、湯気で暖まっていく室内。
湯気で曇るガラス窓と、そこから見える淡くかすんだ景色に、じんわりと心が温まる。
冬の日の午後3時。
寒さが苦手な私は、"あたたかいもの"に惹かれてしまう。
季節が進むとクローゼットの中を見直したくなる。
あれこれ組み合わせて頭の中で妄想するのも楽しいけれど、実際に着てみて、あたらしい重ね着を発見した瞬間はもっといい。気付いたらモコモコになり過ぎていることもあるけれど、私にはそれくらいがちょうどいい。
やっぱり寒いのは苦手だけれど、少しでも心が温まるような優しい服を身に纏って、気分良く過ごしていきたい。
お出かけが待ち遠しくなる、或る日曜日の午後。
あったらいいなが叶ったちょうどいいベルト
デニムパンツと相性の良いベルトが欲しい!という想いからかたちにした黒のレザーベルト。 太すぎず、細すぎず、程よく存在感のあるベルトを目指して作りました。
真鍮のバックルや、アイボリーの留め糸も HAU らしい上品さと遊び心のポイントに。 印象を大きく左右するバックルは、当初サンプルの時点では四角い正方形のものを付けていたものの、メンズっぽいややハードな仕上がりに...。 試行錯誤の上、最終的に柔らかく女性らしい雰囲気に仕上がるよう、横長タイプの丸みのある形のものを採用しました。
おすすめは、綿麻素材で作った denimpants"tapered"/cotton linen との組み合わせ。素材本来の色味を活かしたニュアンスのある肌馴染みの良いアイボリーカラーは黒のベルトをつけることによってキリッと引き締まります。足元にレザーブーツを合わせれば無骨さが加わったメンズライクな着こなしが楽しめます。
<<今回紹介したアイテム>>
◎
belt "noir"
◎
denim pants "tapered" / cotton linen
◎
over shirts "organic biera" / アイボリー
◎
hand knit vest "nepal" / アイボリー (10月発売予定)
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。